税金対策

どうやって計算するの?税理士が教える仮想通貨の取得価額(移動平均法)

仮想通貨の利益の計算方法は、ざっくりと 「収入 – 取得価額」 で計算します。

例えば、1リップル 50円で1,000リップル購入し、100円の時に全部日本円に変えた場合の利益は、

100円×1,000リップル(収入) – 50円×1,000リップル = 50,000円 になります。

収入の金額はわかりやすいかと思いますが、取得価額がいくらなのかお悩みの方もいらっしゃるかと思います。

取得価額の計算方法としては、「移動平均法」、「総平均法」の2種類ございます。

今回は仮想通貨の取得価額の計算方法の「移動平均法」についてご説明したいと思います。

移動平均法とは

簡単に言うと、仮想通貨の購入や売却の都度、取得価額を計算する方法です。

具体例を挙げてみます。

・1月    1リップル 50円で1,000リップル購入

・2月  1リップル 100円で1,000リップル購入

・3月  1リップル 200円で500リップル売却

・4月  1リップル 500円で1,000リップル購入

・5月  1リップル 1,000円で1,000リップル売却

上記例で考えてみます。売却の際に利益が確定しますので、リップルを売却した3月、5月の利益を計算し、その合計が最終の仮想通貨の利益となります。

① 3月の利益

まず、収入を求めます。 200円で500リップル売却してますので、200円 × 500リップル = 100,000円となります。

次に、取得価額を求めます。

売却まで、1月、2月と複数回取得していますので、2つを合算して平均金額を算出することになります。

計算式は、(50円×1,000リップル + 100円×1,000リップル) ÷ (1,000リップル+1,000リップル) = 75円(1リップル当たりの金額)

75円×500リップル(売却分)=37,500円  となります。

よって、利益は 100,000円 – 37,500円 = 62,500円 となります。

② 5月の利益

3月同様、まず、収入を求めます。 1,000円で1,000リップル売却してますので、1,000円 × 1,000リップル = 1,000,000円となります。

次に、取得価額です。

3月の売却後の残りは、1,500リップル(1,000+1,000-500) です。1リップル当たりの金額は75円です(3月時の取得価額の平均金額を使用します)。

4月に買い増ししていますので、3月同様に、3月の売却後の残りと4月分を合算して1リップル当たりの平均金額を算出します。

計算式は、、(75円×1,500リップル + 500円×1,000リップル) ÷ (1,500リップル+1,000リップル) = 245円(1リップル当たりの金額)

245円×1,000リップル(売却分)=245,000円  となります。

よって、利益は 1,000,000円 – 245,000円 = 755,000円 となります。

最終の利益は、① + ② で 817,500円  となります。

 

移動平均法のメリット、デメリット

メリット

・仮想通貨の利益や納税資金の予測が立てやすい。

移動平均法は、取得、売却の都度、取得原価を算出できるので、今年はいくら利益が出ているのか、税金はどのくらいかかるのかを把握しやすくなります。また、それに応じて、節税対策もしやすくなります。

デメリット

・計算の手間がかかる。

もう一つの方法の総平均法と比べると計算の手間がかかります。今回は、簡単な事例でしたが、何回も買い増し、売却をされている場合は、その都度取得価額を計算しないといけませんので  一苦労です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。次回は、仮想通貨の取得価額の計算方法のもう一つの「総平均法」についてご説明します。