これまで、教員が節税するための手法についてご説明しておりました。
なかでも節税に効果バツグンなのは、「ふるさと納税」、「確定拠出年金(イデコ)」です。まずは、この2つをご検討いただければと思っております。
詳しく知りたい方は、以下の記事よりご参照ください。
さて、教員の節税の記事で給与の 収入 と 所得 という言葉がたびたび出てきたかと思います。どちらも同じ意味だろとお思いの教員の方が多いかと思いますが、
収入と所得では意味は全く異なるのです!!! この違いを理解していないと節税する際に要件を満たさなくなり、節税の制度を利用できなくなるおそれがあります。
教員の方が節税するためには、まずこの収入と所得と違いを理解することが重要となってきます。よって、今回は収入と所得の違いについてわかりやすくご説明したいと思います。
教員の収入と所得
教員の方にとって「収入」とは、一年間の給料や賞与の合計額のことです。
年収の事ですね!!!
ここで勘違いしてはいけないのが、一年間の手取りの合計額ではないですからね。一年間の給料、賞与の総額のことをいいます!
では、「所得」とはなんなのでしょう。ずばり、「所得」とは、「収入」から「経費」を差し引いた金額のことです。
「いや、一年間の経費の合計額なんて集計していないよ」とお思いかもしれませんが、
教員の方は、年収に応じて経費の額が決められています。その経費のことを「給与所得控除」といいます。つまり、この年収の人はこれくらい経費がかかるであろうと概算で決めているのです。
では、自分はいくら給与所得控除があるのか知りたいですよね。
詳しくは、国税庁ホームページに記載されていますのでそちらをご参照ください。
国税庁の表より、ご自身の年収がどこに当てはまるかを確認いただいて給与所得控除額を計算します。
例えば、年収300万円だとします。
平成29年分の表にあてはめたら給与所得控除額は、
3,000,000円×30%+180,000円=1,080,000円となるわけです。
よって、給与所得は、3,000,000円 – 1,080,000円 = 1,920,000円となります。
この例でいくと、「収入は300万円、所得は192万円」となるわけです。
所得控除の要件は、収入でした?所得でした?
収入と所得の違いについてはご理解いただけたかと思います。
では、それを踏まえて以前記載しました所得控除の要件は収入でしたでしょうか?所得でしたでしょうか?今一度確認しておきましょう!!
配偶者控除
配偶者の方を扶養していれば控除できるという制度でした。配偶者控除となる要件はどうでしたでしょうか。
「所得金額が38万円以下」が要件の一つでした。
配偶者控除は所得でみるということですね。
配偶者控除の詳しい制度内容は、教員が節税するための手法(所得控除の活用④)をご参照
扶養控除
お子さんやご両親を扶養していれば、所得控除が受けられるというものでした。扶養控除の要件はどうだったかというと、
「所得金額が38万円以下」が要件の一つでした。
配偶者控除と同じで所得で判断するんでしたね。
基礎控除
国民全員が平等に控除が受けれる制度でした。
しかし、30年の税制改正が入りまして高所得者の方は基礎控除額が減額されることとなりました。では、どのような方が減額されるのでしたでしょうか。
所得金額が2,400万円を超すと減額が始まり、所得金額が2,500万円を超すと基礎控除をうけれないという要件でした。
基礎控除も所得金額で判断です!!
扶養控除と基礎控除の詳しい制度内容は、教員が節税するための手法(所得控除の活用⑤)をご参照
寡婦控除
ご主人と離婚した、または、死別した場合等には所得控除が受けられるという制度でした。寡婦になるか特別の寡婦になるかの要件がありました。
「所得金額が500万円以下かどうか」という要件がございました。
やはり、所得金額で判断ですね。
寡婦控除の詳しい制度内容は、教員が節税するための手法(所得控除の活用⑥)をご参照
寄附金控除
ふるさと納税等で適用できる制度でした。
無制限に寄附できるわけではなく、ふるさと納税には控除限度額がありました。
「その限度額は所得金額の40%」までです。
寄附金控除の詳しい制度内容は、教員が節税するための手法(所得控除の活用③)をご参照
結論、「所得控除のどの制度も要件とされている金額は所得金額となる」ということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、教員が節税するための基礎知識として収入と所得の違いについてご説明しました。
一見どちらも同じ意味だと勘違いされますが、内容は全然違います。教員の方が節税をするうえでの大事な基礎知識となりますので、収入と所得の違いは理解しておきましょう。