税金対策

教員が節税するための手法(所得控除の活用⑤)

 

みなさんこんにちは。引き続き教員が節税するための手法としての所得控除の活用についてご説明します。今回は、「扶養控除」、「基礎控除」です。

この2つの制度も教員の方には使う機会が多いかと思いますので、この記事で理解していただいてうまく活用しましょう!!

今回も出来るだけわかりやすく解説したいと思います。

扶養控除とは

 

まず、扶養控除について確認しましょう。

教員の方に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを扶養控除といいます。

どのような人が扶養控除の対象となるの?

対象となるためには、所得税法上の控除対象扶養親族に該当すればいいわけです。

控除対象扶養親族とは、その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡した場合は、死亡時)の現況で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。

① 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)であること

②教員の方ご本人と財布を同じにしていること

③年間の合計所得金額が38万円以下であること。 (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

④青色事業者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支給を受けていないこと等

国税庁ホームページより

 

最後、ここが重要です。

上記四要件を満たしていても、その年12月31日現在の年齢が16歳未満であれば控除対象扶養親族に該当しません。つまり、中学生までのお子さんは対象にならないわけですね。

 

扶養控除額の金額

控除額は、扶養親族の年齢、同居の有無等により次の表のとおりです。

 

区分 控除額
一般の控除対象扶養親族 38万円
特定扶養親族 63万円
老人扶養親族 同居老親等以外 48万円
同居老親等 58万円

 

控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人を  いいます。

特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の人をいいます。

老人扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人をいいます。

国税庁ホームページより

 

少し複雑かもしれませんが、分かりやすく申し上げますと、高校生以上のお子さんを扶養していれば38万円控除でき、大学生、70歳以上のご両親を扶養していれば控除額が38万円からさらに増える(両親と一緒に住んでいたらさらに増える)ということです。

あくまでイメージです。

 

基礎控除とは

 

次に、基礎控除について見ていきましょう、

基礎控除も所得控除の一種です。基礎控除は、ほかの所得控除のように一定の要件に該当する場合に控除するというものではなく、一律に適用されます。基礎控除の金額は38万円です。

つまり、誰でも38万円控除出来るということです。教員の皆様も毎年基礎控除を受けているわけです!

基礎控除の改正

近年、働き方が多様化してきました。会社員、公務員の他にフリーランス、在宅で仕事をする高齢者の就業などさまざまです。

この働き方の多様化に対応するために、この基礎控除も今年の税制改正で変更があっております。前投稿の配偶者控除も29年の税制改正で変更がありました。

近年、所得控除についての改正がたくさん行われておりますので注意が必要です。

基礎控除改正の内容

基礎控除の改正は大きく次の2つの内容です。

これによって個人の所得税の基礎控除額は次のように改正されます。

 

いかがでしょう。これまでは一律38万円だったのに複雑になってしまいましたね。

分かりやすくご説明します。要は、1年間の合計所得金額が2400万円(年収約2,600万円)を超えない場合はこれまでと同じです。合計所得金額が2400万円(年収2,600万円)を超える方のみ基礎控除額が段階的に下がっていき合計所得金額が2,500万円(年収約2,700万円)を超すと基礎控除が受けれなくなります。

 

いつから基礎控除改正になるの?

基礎控除は、平成32年1月より改正となります。少し間が空きますので忘れないようにしておきましょう。

扶養控除、基礎控除を受けるための手続き

扶養控除、基礎控除は税金の計算をする上でベースとなる控除です。年末調整で納税が完了する人は年末調整で基礎控除を差し引きます。特に本人が何かすることはありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は教員が節税するための手法の所得控除の活用として「扶養控除」、「基礎控除」についてご説明しました。

「扶養控除」は、ご家族を扶養されている場合に適用できる制度でした。16歳未満のお子さんは対象外ですが、16歳以上の方でしたら対象となります。扶養控除額は、簡単に言えば大学生の子ども、70歳以上のご両親、それ以外の16歳以上の扶養親族に区分して金額が決まっています。

「基礎控除」は、要件なく皆さんが対象となる所得控除でした。基礎控除については、税制改正で取り扱いに変更がございましたが、年収が約2,600万円以下の方はこれまでと同じ取り扱いとなります。

この二つの制度と前稿しました配偶者控除は節税において非常に重要ですので、上手く活用できるようにしましょう!!

配偶者控除について詳しく知りたい方は、教員が節税するための手法(所得控除の活用④)をご覧ください。